泥沼ブログ

非農家から就農して、男一人で農業所得400万・時給2000円農業を目指します

植物の生命力で自分が生かされるって感じ

今日の田んぼ。

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一か月前の写真が下。

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どっちも藻やウキクサが浮いててすみませんという感じだが、1か月でこれだけ繁茂する。新しくレンコンを始めた田んぼだからよく育つということもあるらしい。これが連年レンコンを作っている田んぼだとそうはいかない。連作障害と言って、同じ畑で同じ作物を毎回作っていると、同じ養分が収奪される一方だったり同じ病原菌が残ったりで作物の生産性が落ちると言われている。そのため、シーズンごと・年ごとで作付けする品目を変えて連作障害が起こらないようにするそうだ。

レンコンをつくる蓮田は基本的に毎年レンコンしか作れないので、それが起こる。これからだんだん生産性が落ちていくわけだ。この連作障害を最小限にとどめながら土を維持しなくてはいけない。

ちなみにいわゆる普通の「田んぼ」では同じコメだけ毎年作っているが、1000年やっても連作障害というのが起こらない。暑い時期には水を張って、冬は水を落とす。中干しと言って間でも水を落とす。切り株が少しずつ有機物を供給したり、田んぼに入れる水が養分を供給したり。それを繰り返すことで生物叢が偏らないようになっているというすごく優れたシステム、日本の気候に合ったシステムだそうだ。

 

ハスに限らずだが、植物の生命力に嫌でも触れる毎日を過ごし始めてから、自分もちゃんと生きよう、と思うようになった。前はどちらかというと後ろ向きな人生だったが、今は前向きとまでは言えないがやるべきことをやろうというスタンスになったという感じ。うつ病の人などが農作業に取り組むと症状が改善するっていうのは意外とこういう原始的なところなんじゃないかなとひそかに思っている。なんというか、芽を触っていると伸びよう伸びようとしていて怖いぐらいで、ふと田全体を見るとすげぇなって、単純にそう感じるのだ。

 

***

 

今年は気候がよく、レンコンに関しては今のところ豊作ペースのようだ。こないだも早出しのハウスレンコンが例年より安値で取引されているというニュースがあった。とはいえ僕の今の状況ではどうのこうの言っていられないので、掘って売る、掘って売るというそれだけを考えたい。

 

と、言ってるところで島根や九州で大雨のニュース。これまでにない大雨が降っているそうで心配だ。おてんとさま・・・「今までにない大雨」という表現がもう信用ならないというのは何となくみんな感じているところではないか。

 

今日は税務署に電話して人を雇用したときの手続き等を聞いてみた。源泉徴収のシステムとか曖昧だったけど、全貌が見えたような感じがする。僕は今ひとりでやっているがいずれはこの近辺で農地が空いていくのは確実視されていて、少しずつでも手伝ってもらえる体制を作っていきたいと思っている。興味ある人連絡ください。

もし結婚したとしても奥さんと一緒にはしたくない・・・まぁ好んでやる女性もいないだろうが、一日中一緒だと辛いなぁ。

 

その後はクーラーの効いたコーヒーショップで勉強していた。これから先輩農家さんとも交流ができそうなので、いろいろ情報交換をして生産性を高めていきたいと思う。

 

 

れんこん のキーワードでトレンドを調べてみた

ふと、レンコンというキーワードをGoogleで調べていて、いったいどれぐらい検索されているんだろうと思い、Googleトレンドという機能を使って調べてみた。「れんこん」「レンコン」の両方で、2004年から2017年6月まで。「蓮根」は東京都板橋区に同じ駅の名前があるので今回は除外。

面白いように夏は検索数が落ちて、秋から冬にかけて検索数が上がる。サブキーワードみたいなのをみてみると、みんな「レシピ」を調べているようだ。自分が料理をほとんどしないので、なんか知らない世界を見た気分。先日のレンコンの市場規模は? - 泥沼ブログの卸売数量と合わせてみてみたがあまり関連は分からなかった。

 

 

徐々に上がっているようにも見えるし、やはり2013年10月にNHKの『あさイチ』で健康に良いと紹介されてから上がっているようにも見える。NHKパワーはすごいのだ。いつかタクシーのお客さんと話をしたことがあって、たぶん自分で何か売っている方だったと思うが、テレビの影響は本当にすごいと。健康関係で影響力のある番組は、NHK全般、みのもふんたのおもいッきりテレビ(今は放送終了)。ナンバーワンは『ためしてガッテン』だそうだ。

 

そのほかのキーワードでもいろいろ調べてみた。なんか闇も見える。

トマト

農業

長生き

死にたい

 

農家はピンピンコロリで死ねる?

www.waseda.jp

 

農業者の後期高齢者医療費が非農業者の7割。7割かー。もっと少ない感じもしていたが。

僕が考える理由としては、

  • 農業は適度に運動になるのでよい。→ 健康な体になる
  • 農作業を趣味として考えると、ヒマつぶしの寄り合い所としての病院通いが減る

がある。

後者は東京のお医者さんからグチを聞いたことがあるが、本当に診療しなければいけない人がちゃんと診れないという話。ヒマつぶしでも医療費には変わりない。

 

また、認知症とかについて。以前も書いたが、そのときは「農家の人はボケない」というテーマだった。師匠の奥さんに聞いたら「この近所でボケてる人なんていない」という話。

あと最近思うことだが、東京は、特に男の人は太っている人が多かったなと思う。デップリとお腹が突き出たスーツ来た男の人。タクシーをやっていて飲食店が多い繁華街を走ることが多かったからかもしれないが、まぁよく見かけた。

こっちでは本当に少なくて、ましてや農家でお腹が出ているひとなんて1人もいないと思う。まぁ当然と言えば当然で、そんなに重労働でなくても結局は肉体労働だから、太るヒマもないということだろう。カロリー消費とカロリー摂取のバランスが取れているのが農家だと思う。東京ではお腹が空いてなくても食べている人が多かったような感じ。僕自身もそんなところがあったし。

 

まぁそもそもこれからのご時世、僕らの世代からすると長生きするのがいいことなのかよくわからなくなってくる。これからもどんどん健康保険料は上がっていって、それは自分にはほとんど使われなくて、高齢者のために使われていく。僕より下の世代はもっと大変だろうな。先述のとあるお医者さんが言っていた、日本も健康保険を義務じゃなくて自分で選ぶようにしたら面白いと思うけど。

 

レンコンの市場規模は?

前回はレンコンがどれぐらい儲かるかについて書いた。

 

でも実際どれぐらい食べられているのか、そして今後食べ続けられるのか?は僕もずっと気になっていた。実際のデータとして一度見てみたいと思っていたので、農水省の統計からグラフを作成してみた。

 

今回は全国の卸売市場を通して流通したレンコンの卸売数量・価額・価格(単価)を2003年から2016年分までデータを使った。

(出典:農水省「青果物卸売市場調査」)

 

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ご覧の通り価格はここ3年高い。それに反して出回っている量も減っている。市場なので需給の関係でこうなっているのかもしれないし、特に昨年なんかは台風の影響で不作になり、近年にない高値になったらしい。僕の師匠が「だいたい3年ほどのサイクルで高値と安値が来ている」と言っていた。何でですかね、と聞くと「わかんねぇ。消費者も飽きるんじゃねぇか」とのこと。折れ線グラフを見るとなんとなく当たっている気がする。

だから今年は安値かも。春先の気候がかなり良かったので全般的に大豊作ではと言っている。つまり青い棒グラフは伸びる。ただし赤い折れ線グラフは下がるのではないかと予測。

 

んで上のグラフというのはただの需給が表れているグラフとも言えるので、その年の気候に左右される。僕がもっと知りたいのはいわゆるレンコンの市場規模だったので、上でいう「量」×「価格」の「価額」のグラフがこちら。

 

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こちらのグラフのほうが、消費者がどれぐらい買いたがっているか、財布の開き具合というか圧力が分かるような気もする。

しかし、こう見るとレンコンだけで200億円市場ということになる。200億円分も食べられているのかと思うと日本人の胃袋も捨てたもんじゃないと思える。

 

僕のイメージでは、レンコンは100gあたりの価格で見るとやはり高級野菜だと思う。僕なら100g98円だったらなかなか手が出ない。100gのレンコンって本当にちょびっとだから。そういうこともあって貧乏な若年層より高齢者に人気で、あとは健康に良い野菜。ひとつ、2013年の10月にNHKのあさイチでレンコンが体にいいよという特集がされたらしく、そういうこともあってそこから需要が伸びているのもあるのかもしれない。今年はどうなるだろうか?

 

ご存じのとおり、今の日本の人口ピラミッドは逆三角形気味。

 

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(出典:総務省統計局「我が国の人口ピラミッド」)

 

今後20年かけてこれがどんどん上にずれていく。下の若い層は、移民が入らない限りどんどん細く小さくなることは確定している。だから高齢者向けに売るつもりでいけば、これから人口が減る中でも割と粘れるのでは、みたいな短絡的な考えもある。実際はどうだろうか?

個人的な経験では、高齢者になって健康を害するほど健康に気を遣うので、もっと健康にいいというイメージがつけばいいなと思っている。

 

***

 

今回はレンコンの市場規模をグラフ化してみた。毎年チェックしていこうと思う。ただ、この数値は卸売市場を通した数値なので、実際に人の口に入った量全量ではないというのは覚えておくべきだろう。今はどんどん直売所や道の駅、スーパーの地元野菜コーナーで買う人やその他直接取引される量が増えてきているはずなので。

また数値だけでは読み取れない傾向などもたくさんある。今はスーパーなんかで売れるのは「お手軽商品」だそうで、例えば今の季節で言えばスイカで一番売れるのは、サイコロ状に切ったカットスイカだそう。割高でもそっちを買う傾向があるらしい。総菜や中食はどんどん増えて、自炊する人はどんどん減っているはず。・・・

と、そんなことまで考えてもしょうがないから僕は草刈りをするだけだが。

 

最後に話がそれるが、こないだ牛ふん堆肥を買ったときに牛屋さんが言っていた話。牛舎で雌牛に精子をつけて生ませて何か月か育て、それを売るという「繁殖」という牛農家さんがいるのだが、今は子牛の価格が過去最高に高値らしい。少し前にもニュースになっていた。

子牛、全国で不足 農家減少、5年で価格2倍に高騰:朝日新聞デジタル

なんでかと聞くと「やる人がいないから」。高齢化が進んで若い人が入らない、そうするとどんどん競争相手がいなくなるので繁殖農家としては今は儲かるよ、と言っていた。

人口が減って市場規模が減っていく日本ではあるけど、農家が減っていけば1人当たりの取り分は増えていくという理屈はあると思うので、若い人は積極的に、高齢化が進んでいるけど需要はある、という業界を探したり検討するという見方はしてみるのもいいと思う。逆に、例えばYouTuberは人気で新規参入が多すぎて一人当たりで言うと取り分が減っていく業界なんじゃないでしょうか。ちらっと見たらすんげぇ数の動画があるもん。

まぁ何事も大変な仕事ですけどね。

 

***

 

おまけで、最近人気と言われるのトマトも同じようにグラフにしてみた。

 

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卸売数量がそんなに増えていないのは意外だが、なんとなくスーパーなんかを見ていると、市場を通さず直売などに流れている率がレンコンよりは高い気がするのでまぁわからないでもない。単価としては高めで推移しているようだ。そう考えると、「トマト農家の総所得推移」というデータを出すとかなり上がっているかもしれない。

ちなみにレンコンの200億円市場に対して、トマトは1500億円市場・・・。

 

うーむ統計って読み解くのが難しい。

 

追記

おもしろいサイトを見つけました。

ひとめで市場規模が分かるサイト。

これによると、レンコン市場は「焼肉のたれ市場」と同じ規模らしい。建設と自動車関連がバカでかい。

レンコン農家はどれぐらい儲かるか?

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儲かる儲かるとそそのかされて前職を辞めレンコン栽培に飛びついた僕だが、実際どうなのかはやってみて結果が出るまでわからない。まだ1年目だし。

ただ、「農業の中では割がいい」というのはいろんな指標を見ていても明らかなようだ。ただただ泥との格闘が必要ということ。

 

以下は、とあるポッドキャストで紹介された、儲かる野菜・果樹ランキングである。

 

野菜編

果樹編

 

この音声のほうの回では出なかったのだが、野菜編のブログ記事のほうでは3位にレンコンがランクインしていた。

 

農業の「儲かる」は労働時間あたりの所得、つまり時給

このポッドキャストのパーソナリティーの人が出していた「儲かる」の基準となる指標が、

 

売上-経費 / 労働時間  = 労働時間当たり所得

 

である。一般に言う「時給」だ。「1年間で何時間働いていくら稼いだか」である。

なぜ時給が重要かというと、一般的に農業は手をかければかけるだけ売上・所得が上がる傾向があるからだと思う。面倒なことをチョコチョコやったりこまめに草取りをしたり、毎日観察をして対応をしたりすることで作物の生育がよくなり、結果的に収量が上がり、売り上げも上がるということが普通のようだ。最近では、それをできる限り自動化するなどしてIT農業と言って時給を上げようというのもひとつのやり方だと思う(その際の設備の減価償却などがまたかかるが)。

また、少なくとも日本の農業は規模の経済が働かないと思う。広げれば広げるほど効率は良くなるとは限らないというのが実感だ。工業製品を作るのなら広げれば広げるほどいいんだろうけど。その辺が僕もまだ原理が分からないのだが、なんかそんな感じがある。限られた土地を使って、限られた人的資源を使って少しでも効率よくやるのが農業の基本のような気がする。よくは分からないが・・・。

一方、通常サラリーマンやアルバイトの時給というのは少し感覚が違う。成果報酬型などの賃金体系の人は別として、変な話、時間が経てば働こうがサボろうが同じ金額が口座に振り込まれる。

何が言いたいかというと、農業においてはダラダラと時間をかければ所得も上がる。そうなると僕としては、やはり何時間ダラダラと作業をして、そのぶんいくら所得が増えたたのかが気になる。効率を上げられる所は効率よくしたい。それは労働も経費だからというのが根本にある。肉体労働だし、しんどいし。肉体労働は次の日に如実に影響が出る。パソコン作業を5日やった6日目のパフォーマンスと、肉体労働を5日やった6日目のパフォーマンスでは、かなり差がある。

 

だから自分としては「農業の儲かり度は時給」なのである。

 

レンコン農家の時給

さて、れんこんは農産物の中で主要品目(じゃがいもたまねぎにんじん・・・等々)とは違って超マイナー作物のため、経営指標のデータなども農水省のページには載っていない。

最初に紹介したランキングでのレンコンの時給は1,536円である。これはおそらくレンコン栽培の本『レンコン―栽培から加工・販売まで (新特産シリーズ)』(世の中にレンコン栽培の本これ1冊しか見当たらない)に載っていた指標で、東西日本の主要産地である徳島県と茨城県の例が載っていたはずだ。どちらも1,500円前後だったと思う。ちなみに僕もこの本は読んだが今手元に無いため記憶があいまいなのはすみません。

他にもググって転がっていたレンコンの時間当たり所得がこちら。

 

徳島県[PDF] - 1,580円。

千葉県香取市[PDF] - 3,186円。

新潟県長岡市[DOC] - 2,034円。

 

バラバラ。でも1,500円を大きく割る指標は見当たらない。

そしてレンコンの場合はこの計算の経費に「種苗費」が入っていることが多い。徳島県の例で言うと種苗費で10aあたり90,000円が計上されている。レンコン栽培は一般的に、次シーズンの植付けの種は自家採種する。レンコンは種ではなく種イモのような形で芽の付いたレンコンを植えるのだが、それはすべて自分の田んぼにあるものを植え替える。他の野菜のように、毎年種を種苗会社から買うということはない。だからこの種苗費90,000円は初年度だけで、2年目からはこれがゼロになる。この徳島県のデータで90,000円をゼロにして計算してみると、時給は1,890円になる。

またネットにはなかったが千葉県の指標でも1,500円程度、種レンコン代を抜くと2,000円を超える

時給で働いていない人はあまり気にしたことがないかもしれないが、皆さんは時給いくらで働いているだろうか。年収を年間労働時間で割ると自分の労働の時給が出るので一度計算してみてほしい。

例えば祝祭日関係なく、月~金曜出勤の完全週休二日制、9時~17時勤務(昼休みも労働時間に含める)で1年間働くと

 

5日×52週×8時間 = 年間労働時間2,080時間。

 

僕の目標としているのも同じぐらいで、年間2,000時間働いて、時給を2000円に持っていければ、所得400万になるという目標だ。簡単な計算である。

 

もちろん上の数字はベテラン農家さんのデータだろうから、新規就農者はそう簡単にはいかないだろう。しかし農業には若い人(45歳以下)が就農すれば年間最大150万円もの補助が出る制度がある。

農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金):農林水産省

こういう補助金には色々条件があり、やらないといけない手続きもある。しかし150万円というのは無茶苦茶な金額だなと今でも思う。早くバンバンと投資をし、早く経営を軌道に乗せたい人には大変ありがたい制度だ。

ただしもらってるうちはパチンコは控えた方がいいだろう。実態は生活保護と同じだから。あくまで事業に投資できるように。もちろん生活費にしてもいいんだけど。

 

労働を趣味と捉えるか苦行と捉えるか

いかがだっただろうか。冒頭のランキングにはレンコン以外にもたくさんの経営指標になる作物が並んでいるので、気になる方は調べてみてはどうだろう。もちろん、この指標もどの農家さんのデータを取ったかによって全然違うし、個人個人を見ると全く違うとは思うがあくまで指標として。

そもそもの話になるが、農業に限らず仕事・労働が好きでしょうがない人は時給という概念は薄いと思う。手をかけること自体が自分の喜びとか、言うなれば趣味と同じなのだから、その時間を所得の指標に算入することはナンセンスだと感じるはずだ。

僕は今のところレンコンは完全に仕事と思ってやっている。まぁそれなりに観察したり田んぼにいるのも好きではあるが、なるべく効率よくやって、夕方には酒を飲みながらYouTubeでも見て過ごしたい。だから分かりやすくキリの良いところで時給2,000円農業を目指している。

 

***

 

でも時給2,000円って、フリーター目線で見ると高く見えるけど年間で計算してボーナス入れて・・・ってやると一般的にはそうでもない気もするのも事実。

そんな貧乏に慣れてしまった落ちぶれた男の行く末を、要チェックや!

 

 

レンコン―栽培から加工・販売まで (新特産シリーズ)

レンコン―栽培から加工・販売まで (新特産シリーズ)

 

 

 

 

農業での稼ぎ(農業所得)について

農業っていうけど、いったいどういう収入体系になっているのか?

ピンと来ない人へ、簡単に書いてみたい。正式なものは

青色申告特別控除とは?適用条件や期限、控除額・納税額の違いなど などを見てチェックしてほしい。

 

農業を始めるというのは起業

農業というのは事業であり、就農するということは起業と同じことである。これまでは、給料日に振り込まれた金額から毎日1,000円ぐらいで生活費をひねり出していた生活だったのが、一括で数万円単位のお金がバンバンと実際に自分から飛び去り始める生活になると、これが事業だというのを嫌でも感じざるを得なくなった。もっと言うと、「この払った分を絶対取り返さなければ」という覚悟が生まれてきた。だって旅行行ったり好きなもの買ったり趣味に使って楽しむ数万円じゃないからね。ただのクワとかレンコンボートとか、自分が食べるわけでもない肥料や、食べたら死ぬかもしれない農薬とかに払う何万ですから。それ以外に使い道のないものに、合計何十万も。バイトにしろ正社員にしろ、給与をもらって消費するだけの生活とはお金の使い方に対する意識が大きく変わった。まさに個人事業主である。

 

収入-経費=所得

 

これがサラリーマンでも個人事業主でも基本で、所得というのが純粋な稼ぎということになる。

 

サラリーマンやバイトの人の場合

税務上は多くの給与所得の人でも一応この形式は当てはめられていて、給与所得控除65万というのが一応、事業における経費と同じものとみなされているらしい。額面給与が年収300万(月25万)だとすると、毎月住民税・所得税・年金・健康保険・雇用保険が毎月6万ぐらい引かれて手取りが年230万(月19万)ぐらい。そこから基礎控除38万(誰でも適用)と給与所得控除の65万の合計103万がマイナスされると課税所得が127万になる。その額がまた次の年の所得税や健康保険料に影響する。

んで、これらは1社に勤めてるだけなら会社がほとんど毎月代行して引いてくれて(天引き)、源泉徴収して、年末に年末調整として余ったり足りなかったりを自動で足し引きされて12月の給与明細の額になっているはず。

 

農業とか事業をやったとき

では農業など、個人事業主となった場合はどうか。

レンコンを1年で売った金額(総収入)が300万だとすると、そこから経費が100万飛んでいったら残り200万毎月(だいたい用紙でコンビニ払いの隔月だけど)住民税・所得税・年金・健康保険をサラリーマンと同じだけ払ったとすると手取り130万

あれ!?サラリーマンよりきっちり100万も所得が低いじゃん!となる。これはきっかり、経費で飛んで行った100万があるためであり、同じ暮らしをしようと思うと単純に売り上げを300万から400万に上げなければいけないということになる。今回は経費は100万としたけど、年によっては経費が200万になることもあるかもしれない。そうするとさらに100万売上を上乗せしないと同じ暮らしはできない・・・ということになる。

 

農業所得400万を目指して

僕は今のところ農業所得400万を目指している。経費の率の目標を35%で計算すると、

 

農業収入620万 ー 経費217万 = 農業所得403万

になる。 

そこから住民税・所得税・年金・健康保険・雇用保険(※雇用保険は無いけどそれに該当するもの)を払い込むと

 

農業所得403万 - 社会保険料100万 = 手取り303万

 

うーむ。こう考えるとかなりの高所得者になったな。

でも立てる目標としてはこれぐらいないと夢がない。300万=月の手取り25万あればたぶん生活費10万で残り15万は貯金できる。農業はそんなに生活費がかからない。

そうすると1年で180万貯金できる。

僕が教えてもらっている師匠は「ハスは本気でやれば5年で小さい家なら建つぞ」と言っていた。もちろんこれはプロ級にうまく作れてうまく売れる×5年の話なので、新規で就農した僕はまだまだかかるだろう。ただここから事業努力で経費を下げて&売上を上げれば手取りが増えるし、さらに年金等をうまく払い込んで課税所得を抑えれば将来への貯蓄をした上で、来年の税金を抑えられる。(※個人事業や農業は、国民年金のほかに自分で金額を決められる年金制度がある。サラリーマンの厚生年金・厚生年金基金に該当するもの。合わせると最大月13万ぐらいの貯蓄・節税と同様になる。それはまた別記事で)

 

農業や個人事業主は、家計上何がメリットか?

比較的フレキシブルに収入を調整ができるのが個人事業主のいいところだと思う。これは脱税でも違法でもなく、ちゃんと決められた制度上だから問題は全くない。ただ線引きを自分でする必要があり、例えば個人の趣味でしか使わないニンテンドースイッチを買った費用を経費に入れたら脱税になってしまいますよ、ということである。

 

もうひとつ僕が農業を始めて思ってミソだと思ったのは、やっているうちになんとなく農業(事業)が趣味、みたいになってしまうということだ。いろんな資材や道具を見るのがお金儲け・事業に一環であると同時に、趣味のひとつとして見ている自分がいる。農家の人って結構そういう人も多いのではないかと最近思っている。そうなれば他の趣味に金をかける割合も減る。田舎では自家用車にお金をかける若者が多いが、僕は軽トラにお金をかける。それは事業用トラックなのでほとんど経費(まぁもちろん事業に関係ないファッション的な装備なんかは経費にすべきではないだろうが・・・)。草刈りも趣味みたいになってきたし、もっといい刈払機ないかなと思い始めたり、もっと効率的に仕事できる道具ないかなとか、この防水エプロンかっこいいな、とか・・・。ワークマンで買う作業着も意外とファッショナブルなものがあったりして、見て回るだけで結構面白い。

もちろん、僕自身がもともと無趣味だったところもあって、体が動かすことがまぁ嫌いではない。だから仕事が趣味みたいになってしまうのかもしれないが、そういう人がもしいたら、節約やすいという意味で、農業や個人事業という手もあるのではないかと思う。傍から見たら悲しい仕事人間と思われるかもしれないが・・・。

 

そして農業という事業は、多い少ないは別として、定型通りやって一定の品質があれば、収入ゼロが何か月も続くということはあまりないだろう。基本はミドルリスクローリターン。不作のとき、周りが出せなくなっているときはミドルリスクハイリターン。しっかり出荷できればその年は稼げる年。天災は困るけど、師匠には天災などの不作のときほど稼げるようにしとけ、と言われた。

やはり農作物というのは市場が確立していて、何より人は毎日お腹がすくということが大きな要因ではないだろうかと思う。リターンを多くするのにもリスクを減らすのにも、勉強と経験。

 

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(※この計算は独身独り暮らしの男をモデルに書きました。家族がいたり養う人がいると変わってくるだろう)

 

農閑期。

 

3月下旬からずっとバタバタと作業をしていたが、やっと落ち着いた。

このブログもずっといろいろな記事を書いてきたけど、現在残しているのはアクセスが多い記事や役立ってそうな記事だけ。農業関係の記事も書いたけど、見事にそれらはアクセスが少なかったから、主な読者は農業に関心の無い人なのだろうと思う。でもそれでいい。

このブログはこれから、そういう農業に関心がなくて、畑違いの仕事をしていたり職がなくて自営で何かを始めたいと思っているような人に向けて書こうと思う。つまり、同じことをやりませんか?という求人ブログにしていきたい。内容としては農業やお金のことも書くだろうし、僕と同じ世代(30代半ば)あたりの、仕事に困っている人がアクセスしてくれそうな記事も書くようになると思う。

 

僕がやっている作目

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農業では、作付けする品目(野菜や果物や穀物・・・の種類)のことを作目(さくもく)という。僕が今年から始めた作目というのはレンコン。他には何も作付けしていない。多くの農家さんは、コメと畑作物ちょこっととか、ネギをメインで他いろいろとか、複数の作目を持っている人も多い。僕はあまり器用でもないし、農業全般に興味があって就農したわけではないので、とりあえずレンコンだけに絞ってやろうと思う。余裕ができたりいろいろ見えてきたらほかにも広げるかもしれない。

さて、レンコンの春は定植の時期だ。他の先輩農家さんや師匠はゴールデンウイークに入る前ぐらいに終わっていたが、僕はやっとこさ先週で終わった(実際には間に合わなかったので終わりにした)。慣れない作業や予定外のことが起こるのは農業の日常で、予定を組んでもうまくいかないものだ。他のビジネスだとどうなのだろう?予定が変わってもリカバリーできるものなのだろうか?

夏の終わりぐらいから収穫になる。それまでは管理作業になるが、いわゆる農閑期に入る。レンコンというのは、植物としてはハスだ。ずっと水が無いと弱ってしまうらしい。水を切らさないことを第一に考えて管理する。

 

なぜレンコンか

なぜレンコンを選んだか。結論から言うと以下である。

  • 初期投資が少なくてすむ
  • 価格が高めで、効率よく稼げる(労働時間当たり所得が高い)
  • さらに価格が安定していて、気候による変動が少ない
  • 一人だけでやっても食っていける

同じような条件の野菜はほかにもあると思うが、初期投資が少なくて食っていける数少ない作目だと今でも思う。最近の統計で20代,30代,40代の単身者は、どの世代も約50%が貯金額ゼロだというのを見かけた。僕も同じだった。今はマイナスである。新しく農業というキツい仕事を始めようという人がいるときに、最初の初期投資というハードルで50%が足切りに合うのは率直に言って厳しいのではないか。 農業をやるべきはその貯金がない50%のほうだろう、と僕の肌感覚では思う。これを農業関係者や役場の人に言うと「資本も無いのに始めるな」と怒られそうだけど。でもみな、今のこの現実を生きているということも忘れてはいけない。

正直、レンコンをやると決めた当時は他のことをなーんにも知らなさすぎたけど(笑)。でもひとつあるのは、泥の中に入ってやる作業というのを見て、やってみて、どこか愛せるなと思ったのかもしれない。誰かが言っていた。「その作物を愛せるというのは続けるうえで大事だと思う」と。

どれぐらいの稼ぎになるのか、どれぐらい費用がかかるのか、そもそもどういう経緯で今の生活に?等は今後少しずつ紹介していこうと思う。

収入について、何十年もプロでやっている農家さんと比べるのはまだまだ早いが、非農家から来てペーペーがどれぐらい稼げているのかを見て判断できるというのは、ブログを読む人にとっても面白いかなと思う。そしてまた、面白い内容になるように書いていこうと思う。

 

僕は特段能力もなく、資格や経験もない。もちろん農業は初めてで、何もかもが全くのド素人から過疎の町に来て就農した。最初にツテがあったのが縁だった。ぜひ同じような方を募集します。僕がそのツテになれる日が来れば最高です。