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元タクシー運転手から泥沼にハマった男のブログ

30代元タクシー運転手が農家になる途中

家族に乾杯、路線バスの旅、ドキュメント72時間・・・この感情に名前を付けたい

都会と地方

www.tv-tokyo.co.jp

 

今まさに放送している、この番組、放送していると気づいたときにはいつも見入ってしまう。家族に乾杯は時間決まってるからだいたい見てるけど。

街で終電を逃した人に声をかけ、タクシー代を払うので家に上がらせてもらって根掘り葉掘り聞くという番組だ。これが毎回「やらせじゃねぇのか」というほどドラマがある。もちろんドラマが無かった平凡すぎる人はカットされてるんだろうけど。

僕なりに感じるこの番組のいいところがある。途中からしか見ていないけど、今日なら二時間程度の放送の中で、エピソードが8人分あったようだ。それが淡々と流れていくところがまさに人間交差点という感じがして好きなのだ。ワイプで一応タレントさんが出てるけど、エピソードごとにタレントのコメントを挟んだりせずに、朝の4時5時ぐらいまで話を聞いて、ありがとうございましたーと玄関でサヨナラしたら、また次の駅に行って終電後・・・、となることも多い。それはまさに現実社会。山手線新宿渋谷池袋で人ゴミに揉まれても、その人たちみんながゴミじゃなくて貴重品なんだと実感するのだ。だから田舎の人は最初、東京で人酔いするのだ。

タクシー運転手のときもそういう部分がとても好きだった。一見フツーに見える人でも、それぞれにドラマがあって、その人の隣の人にもはまた別のドラマがある。密室で感じるそれは本当に貴重な経験だった。そしてそれが次から次へひっきりなし。そんなことが続くと、

「ひっきりなし、とか、なんて自分中心の考えかたなんだ!」

と腑に落ちた。みんなそれぞれ毎日生きてんだと。その人が年に一回タクシーに乗ったのが今日かも知れない、と。「一見フツー」なんて無いんだと。

 

とある救急医のドクターを乗せたときの話

ひとつエピソードがある。

タクシー乗務員を始めたころ、最初は毎出番夜になると酔っ払いを乗せて、「毎日毎日よく酒飲むなぁ」と漠然と思っていた。ある夜、たくさんの普通の女性(いわゆるお店の人ではないという意味)に見送られながら男性が一人乗り込んできた。話すとその方はお医者さんで、今日は年に1回酔った日です、ふだん救急の現場なんで酒飲めないんです、いつ呼ばれるか分からないんで、僕は特殊な分野なんで代わりがいないんで、という話をし、「ブラックジャックによろしく」の話や健康保険をアメリカみたいにすればいいという話、病院が老人のたまり場になっているという話などなどをして、僕も勉強になったことがあった。

目的地に到着して、そのお客さんが降りた後にふと思ったのが、「あ、そうだ。その前に乗せた、タチの悪かった酔っぱらいのオッサンも、毎日飲んでるんじゃなかったのかもしれない。無意識で印象付けてしまってたな」と気づいたのだ。それからというもの、酔っぱらいのお客さんに偏見は薄くなって、その人のいっときを乗せて走ってんだな、と思うようになった。

 

***

 

すべての人は、一生懸命生きていて、それ以前に、それぞれに生きている。どんな腐ったように見える人間でもそう。これこそ「社会」だ。悟ったことを言うつもりはないのだが、それがタクシーをやって感じた実感だ。

タイトルに書いた番組も人気番組だと思う。どれも庶民の生活が見え、感じられ、それぞれの地域や人々のドラマ性が浮かび上がってなんとも言えない感情になる。ツクリモンのバラエティ番組とは違うこの感情。この感情にいつか名前をつけたい。

 

 

そういや、なんでNHKとテレ東ばっかりなんだろう、好きな番組は。

こっちに来てから東京MXの5時に夢中が見られなくなったのが残念。