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元タクシー運転手から泥沼にハマった男のブログ

30代元タクシー運転手が農家になる途中

「地域おこし協力隊」の人が地元に来てる

都会と地方

「地域おこし協力隊」という総務省の制度がある。

 

www.iju-join.jp

 

ざっくり言うと、過疎化が進む地域にいわゆる「ヨソ者」を派遣して地域のために任期分(最大3年)働いてもらい、その地域の活性化に結びつけようという、いわゆる安倍さん肝入りの「地方創生」の一環である。隊員と呼ばれるその派遣者には年間200万円が非常勤公務員の給与として、活動費としてさらに200万円が自治体へ、1人1年あたり合計400万円が国からそのプロジェクトに支給される。2009年から始まった制度らしいが、もちろん自治体によって差があるにしろ、ある程度効果がある制度だと認識されているようだ。「どうせ任期が終わったら東京へ帰るんだべさ」という地元民の諦めを、ある程度いい意味で裏切れているのだろう。

実は僕も東京でタクシーを辞めようか悩んでいるときに、この制度の存在を知って、いろいろ調べていたことがある。こんな人も車もひしめきあっている場所から離れて、自然の多い田舎で暮らしたい、と。最終的には「税金をもらってまで知らん地域をおこしたい情熱は無いな」という素直な自分の感情に従って、この道は自分の中では無くなったのだが、その後もフィード登録したりなどして、目に入ってくる。もちろんWeb上でだけで、実世界では協力隊の名前を聞いたこともないけど。

 

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その地域おこし協力隊について、「自分がどこに行きたいか」調べていたときに、ふと自分の地元の県はどのような自治体が募集しているんだろうかとクリックしたことがあった。そこにはまさかの、自分が産まれ育った自治体、いわゆる「ふるさと」の自治体も、隊員受け入れの自治体に名を連ねていた。よくよく考えたら、自分の地元も平成の大合併に巻き込まれるとか巻き込むとかで、とにかく少子高齢化が進んでいる町である。そんな町だからこそ、地域おこし協力隊が入り込んでいた。

そう、入り込んでいたのだ。

 

地元民とヨソ者の違いとは?

それを知ったとき、僕は自分の感情にゾッとしてしまった。自分が他の地域に「地域おこし協力隊」として働きたいと考えているその矢先に、自分の故郷にホカから来たヨソ者が入り込んで何かしらイベントをしているという話を見たら、すごくザワザワっとしてしまった。そのザワザワに、自分自身に引いた。

ふるさとにヨソ者が入って何かしでかそうとしている。何かイベントをしているらしい。ああ、あそこでか。人来ねぇだろあんなとこ。ふと、地元民の感覚で地域おこし協力隊のことを見ていた。地域おこしとか言って・・・ハハ。

なぜそのことがこんなにザワつくのか。そしてオレは同じことをを他の自治体でしようとしていたのだ。自分の身勝手さを感じたと同時に、これはどう捉えたらいいんだろう、と考えた。

 

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おそらく、人口が合併後1万5000人以下の自治体の住民は、同じように感じるのではないだろうか。「なーに勝手にやってんだか知らんが」という印象だ、少なくとも僕は。遠く離れた東京にいてすらそう思った。ググると自治体の広報にも載っていて、「○○県出身、○才」という文言がやけに浮わついていた。なんだヨソ者が。

「オレはこんな偏見を持っている人間だったのか」と思ったと同時に、「オレはこういう偏見を持っていたのに、その自分が協力隊として飛び込もうとしていたのか」と軽いショックを受けたことを覚えている。

それだけ、地元とヨソ者の違いというのは隔たりがあるのかも知れない。ある程度、そういう分野には寛容と思っていた自分自身でさえ、ふるさとに地域おこし協力隊の人が来ていると知った瞬間、ザワザワっとしたという、この感情は覚えておく必要があると思う。これから民間主導の地域おこしをぜひやっていきたい。その際の大きな勉強道具になるはずだ。今の地域もかなり閉鎖的な土地だ。地道に信頼を得ていくしかない、と長期戦を覚悟したところである。