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元タクシー運転手から泥沼にハマった男のブログ

30代元タクシー運転手が農家になる途中

タクシーのクレジットカード手数料の負担について

都会と地方

headlines.yahoo.co.jp

 

半月ぐらい記事書いてませんでした。

定期的にYahooニュースにはタクシーネタが上がるから面白い。みんな興味があるからクリックするんだろうしそれをもってニュースにするのだろうし。身近なのかな?

 

さて、タクシーのクレジットカード払いについてですが、僕の会社では僕の勤務していた時期にはカード払いは会社負担ということになっていました。というのも僕の勤務していた会社はいわゆる中小タクシー会社で、僕が入社する直前に大手グループの傘下に入った(看板を替えた)そうです。しかし古株の人に聞いたところ、以前はSuicaなどの交通系ICカードやクレジットカード払いの手数料が、乗務員負担だったそうです。

 

「乗務員の負担」とは?

結論から言うと、乗務員の負担だろうがタクシー会社の負担だろうが、乗る人は気にすることはありません。ただの運転手側の感情の問題、そしてタクシー会社の方針の問題なのです。

 

乗務員の給与明細には色々項目があるのですが、以前はその給与明細の内訳に「カード使用手数料」みたいなものがあったそうです(僕が入ってからはずっと空欄だった)。それはつまり、お客様が利用したカードの手数料分を乗務員の給料から差っ引いた、という意味です。そんな項目があると、乗務員の心情としては「カード利用より現金のほうがありがたい」ということになってしまいますよねー。

そういう昔の話を聞くと「そんな給料に直接響くようなシステムだったら、接客態度に出ちゃってクレームになっても会社は何にも言えねぇな」と思ってました。ウチの会社は改善してくれてよかったです。

 

さて、手数料の負担の前に、タクシー乗務員の給与体系の問題があります。僕のいた会社での話になりますが、実質完全歩合制になっていて、いわゆる「固定給」の欄は明細にはありますが、有名無実と言っていいでしょう(固定給欄が0になるほど休んだことがないので正直わからない)。その歩合制の歩率(ぶりつ)は会社と労働組合で決めていたそうです。歩率とは、

例えば1日に54000円運賃分乗ってもらう、

そこから消費税8%を引いて会社に入るのが50000円、

さらにそこから歩率が50%なら25,000円、

が乗務員の額面給与になります。

(だいたい歩率はひと月での金額で決められます。僕のいた会社では、売上を上げれば上げるほど60%に近くなる)

 

ちなみに僕の勤務期間に、その率が見直され、実質一度下がりました。つまり同じ金額分お客さんを乗せても、乗務員の手取りは減ったわけです。見かけ上はどっちかわからないようになってましたが、全体を見ると減ってました。

 

カード利用の闇

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カード利用についても、基本の歩合率が常時65%のタクシー会社で手数料8%を乗務員負担という名義で給与明細から差っ引かれるのと、基本の歩合率が50%だけど手数料の負担は0%、というんだったら、乗務員としては間違いなく手数料8%取られても月入りの収入は増えるでしょう。そんなにカードのお客さんばかりでもないわけですから。

ただ全体の話は置いといて、そのお客さん個人と乗務員との一取引に関しては別になると思います。

たとえば前者の「カード手数料を乗務員負担の名義で引かれる」会社の場合。全体を見れば「カード可」の恩恵を受けてお客さんの数や売上が増えた分、自分の収入が上がっている事実がある。それは間違いない。しかしそう頭では理解していても、その目の前の1回のお客さんに限ればなんとなくがっかり感が出てもしょうがないかなとは思います。

例えばある服屋で1万円の服を買って、対応してくれた店員さんが親切だったけど、レジでクレジットカードを使うとその店員さんの給与が800円減る、というとかなりおかしいですよね。タクシーは「稼ぎに関しては自己裁量・自己責任」が基本なのでその辺りの感覚的なものがマヒしてる面はあると思います、業界全体で。

 

まとめ

まとめると、「カード手数料が乗務員負担か否か」という問題はその会社の給与体系&歩率に大きく関わっていて、その問題単体では片づけられないということ。

とりあえず乗務員の給与明細にわざわざ「あなたの給与から8%引きました」と載せる意味は全くないと僕は思います。カード利用で手数料をクレジット会社に払うのはどの商売も同じですし。それならその分乗務員の手取りを少なくするほうが理にかなってます。乗務員はおこになりますが、少なくともその場のお客さんに対しての対応に影響が出ることはまず無いのではないでしょうか。

 

ちなみに僕のいた会社では古株の乗務員に言わせると「大手の看板に変えてからカードの手数料なんかは取らなくなったが、歩率も下がった。おんなじことだ。むしろ少し手取りは下がったんじゃねぇのか、会社は潤ってんじゃねぇのか」とのことでした。でもまぁそっちのほうが健全だと思いますよ、お客さんのことを第一に考えるなら。

とはいえ、あるとき定期的に月イチである明番研修会で、営業所の人に「当社の利益率はこれぐらいです・・・」という話をざっくばらんにされたことがありました。びっくり仰天するほど低い数字でした。乗務員みんなびっくりしてました。なので会社も責められないと思います。

 

タクシーって乗ると高いですよね。なのに会社や従業員はそんなヒィヒィなんですよ。なんなんでしょうね、これ。

今のまま行けば、ビジネスモデル的には相当きつい業種なんでしょうね。賃金系統はすんごいグレーなとこ多いと思いますよ、タクシー業界。

 

***

 

余談になりますが、地方のタクシー運転手の人は兼業農家の人が多いらしいです。というか農業は収入の一部みたいな。せっかく持ってる土地を有効に使わないと、というような価値観なんでしょうか。農業は副業にぴったりなんでしょうね。東京にももちろんノマドワーカーみたいな兼業者はいると思いますが、農村の農家はほとんど兼業農家なんじゃないか、と思っています。